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  • 2014.11.17 Monday
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オペレッタ三銃士:「猊下」はマザランで「陛下」はルイ14世だった

あらためてオペレッタ「三銃士」のあらすじに目を通してみたら、とんでもない勘違いがあったので、ひとまずその分だけご報告。

「猊下」っていうからリシュリューだと思ってたら、マザランだった。
しかも「陛下」というからルイ13世だろうと思ってたら、これもなんとルイ14世だったというww


これはざっくりとした、あまり鵜呑みにしてはいけないWikiのあらすじをもう一度じっくり読まねばならんのだが、いかんせんドイツ語は手も足も出ないので、英語に翻訳かけてから読むという面倒な手間をかけることになる。
しかも自動翻訳のドイツ語→英語も、やってみて実はあまり当てにならないというのがよーくわかったよ(^_^;)
私程度の英語力でも「何だこりゃ???」な不思議な文章なんだもん。
もちろんドイツ語→日本語にしたら、もっとわけがわからなくなるんだが。
つまり自動翻訳ってのは、あまり使えないということだ。


ともかくオペレッタ銃士。
アトスがいないばかりか、マザランにルイ14世って、なんという変化球を投げてきているのやら。


時代設定的には、ダル物1部と2部の間…ってとこなのだろうが。
それにしたって、無理があるよな。
まあそういう時代であればミレディがいないのも頷けるが、アトスがいない理由にはならないなぁ。
なんで大人しく首飾り事件のところをやっておかなかったんだろう。
なんでこんなに捻りまくってきたんでしょうね。


それにしたってマザランを持ってくるのはともかく、「マザランと王妃が敵対している」っていう筋自体、またも「???」なのである。
いや、逆だろうって思うんだけど…(^_^;)


つまりざっくり見たところ、話の筋はこんな感じか。


フランスの宮廷勢力図は王妃VSマザラン。
マザランは先代のリシュリューより暴君。
マザランはスペイン人である王妃を陥れるべく、姪のマノンをことごとく邪魔をする目の上のたんこぶ、王妃の愛する「三銃士」に差し向けるが、マノンはダルと仲良くなり、策謀は失敗。
マノン&ダルの接近に、本来(この話の)ダルの恋人であるリオーナ・デ・カストロが三銃士を裏切りマザラン側につく。
フランスとスペインの平和を考える王妃(!)は息子のルイとスペイン王女の結婚話を進める。
スペイン王家に当てた結婚話についての手紙を「三銃士」に託すが、リオーナが邪魔立てする。
しかし銃士は無事、手紙を届け、フランス&スペイン王家の結婚話は成立。
めでたしめでたし。


どうよ。
よくわからんね。
ただダルの元恋人が結果的にミレディポジションになるのは、結構面白いかもだが。
でもやっぱりよくわからないね(笑)
大体やっぱりアトスがいないってのが、解せないね。
いやこれが「アラミスがいない」ってったら、間違いなく「ふざけんな、ゴルァ!!(ノ`Д´)ノ彡┻━┻」状態だったろうが。

アトス休暇中で田舎に帰っている時に起こった出来事…とむりやり妄想してみる…か?

ともかく、こんなわけわからん話、仮に現地で見てもドイツ語がわからない以上、本当にわからないだろうなぁ、間違いなく。
とはいえ、もう少しつっこむのであります、納得行くまで。


オペレッタ「三銃士」:「三銃士」のオペレッタが存在してたとは!

もう標題の通りです。
びっくりだΣ(゚д゚||)
知らなかったー!


いや、ドイツ版のミュージカルが新作なのかどんなもんなのかと検索してたら「Die drei Musketiere (Operette)」ってあるからさー。
パリ・オペラ座のシネマビューイングで「ドン・キホーテ」を見て、頭の中が思いっきり<踊る銃士隊>状態になってたのに、この「オペレッタ銃士」でぶっ飛んだわ。
クラシックのジャンルに銃士ものが名を連ねていたとは!!


ともかく、まずオペレッタについて超軽く(ご存知のかたはすっとばせー)。
平たく言えばオペラの簡易版で、オペラをぐっと庶民化した感じ。
ミュージカルの親分、ミュージカルの萌芽といってもいいジャンルで、特にこのオペレッタ「三銃士」が作られた1929年頃なんて、ミュージカルの片鱗がもう見え隠れするような、モダンなテイストの曲が多くなってきます。


そのオペレッタ「三銃士」、作曲はラルフ・ベナツキー(1884〜1957)。
チェコ育ちのモラヴィア人で、ウィーンで活躍し、ベルリンでオペレッタ作曲家として花開いた人だ。
代表作はオペレッタ「白馬亭にて」で、これはご存じの方もいるかと。
先にも書いたように、「三銃士」は1929年の作で、初演はベルリンのGroses Schauspielhaus(大劇場…というのかな)。
なんと、ベルリン黄金の20年代末期の作品だよ。
うわー…(溜息)


しかもこの作品、ず――っと埋もれたまま、2006年にチューリンゲンで復活していたという!
以後ロストック、ギーベンなどで再演を繰り返し、2012年にもバーデンで再演されている。
ひゃー、どっかでやらんか、これ。


       

初演時のポスター発掘したのだけど、銃士じゃなくてドイツの兵隊さんだーww
とはいえ、作風的には当時のアートムーヴメント「青騎士」のテイストも感じられますよ。
この時代はバウハウスも生まれて、建築も芸術も音楽もとてもアグレッシブ。
ベルリンが一番華やかで退廃的で享楽的で、キャバレーの文化も生まれた時代に、この銃士作品は生まれたわけです。


ただね。
お話的には非常に、相当に問題がありそうなんですね。


Wikiの、特にキャスト表を見ていただくとわかるように、お話的には韓流ミュージカルも真っ青のトンデモが、これだけで窺い知れる。
http://de.wikipedia.org/wiki/Die_drei_Musketiere_(Operette)


つまり、アトスがおらんのだよ!!!


ダルとポルアラで「三銃士」ってか!!
そりゃ無茶な。
もうこの時点で何かが違うというか別物か。
てか、ロシュフォールがいないのはしばしばあることとしても。
ロシュ以上に存在がなくなるトレヴィル隊長がいてアトスがいないって、大胆すぎるだろ(ってそういう問題ではない)。


さらにルイ13世とアンヌ、猊下はいるものの、キャストに「猊下の姪」とか菓子屋だのジプシーだの謎の女性が延々と名を列ねている。
しかもミレディもいないぞ!?


そんななかで、なぜかシュヴルーズ婦人の名があるのは何なのだ!?
まさか彼女がミレディポジション???


まあとにかく、見てくれ、復刻版のプロモ動画。
↓  ↓
http://www.youtube.com/watch?v=9sWyBumx7yc



オペレッタ歌手ゆえに、なんとなくぷよぷよ気味の銃士はともかく、確かに3人しかおらんわー!
いかにもキャバレーな銃士カラーのお嬢さんに不思議な尼さんレオタードとかもう、どこをどういじってあるんだか。
いやまさに、キャバレー文化を産んだ「黄金の20年代」だわwww
オペレッタ故に基本的にラブコメ、喜劇、勧善懲悪ハッピーエンドはお約束。
相当にぶっ飛んでるし、お話はもとより、演出も結構キワドイとこもあるようですよ。
銃士的には最初っから原型がないしwww


なんか作品自体が埋もれた理由が、これだけでもわかる気がします。


あ、ただね。
ベナツキーの名誉のために言っておけば、脚本は彼じゃありません。
別の人物です。
どうも劇場のリクエストとか要望が相当あった模様。
「女をたくさん出せ」とか、いわゆる客受けする娯楽的要素をふんだんに詰め込めとか、あったのかもしれない。


果たしてこのオペレッタ銃士、実際何回上演されたかはわからないのですが、ご存じの通り、1929年のワイマール共和国の終焉とともに、ドイツは軍国主義に傾いていくわけです。
ベナツキーも奥さんがユダヤ人ということで1940年にアメリカに亡命し、大戦終了後スイスに戻ってそこで亡くなるわけですが、オペレッタ「三銃士」のなかの「銃士のマーチ」だけは、ドイツ軍隊内で愛唱された曲として、今でも軍関係のライブラリーに入っているようで。
皮肉なものです。


曲を聞いてみたいと思い、なんとかDL販売で2曲ほど見つけたけど、全幕物があるのかどうか。
2006年に復刻しているならCDの一枚くらいありそうなものだが、ドイツの密林では引っかからないわ。
また19世紀末から20世紀のドイツやオーストリア・ハンガリー帝国とその周辺諸国は本当に、国家も土地も民族も入り組んでて現代の地図とは国境線が全然違う。
全幕版の音楽がないはずないと思うのだが、ベナツキーは現代の図版で言う故国・チェコではあまり引っかからない。
チェコ文化センターよりもドイツ文化センターのライブラリーを当たった方がいろいろ出るかもですだわ。


いずれにしてもトンデモオペレッタ銃士、もう少しチェックするのであります。
そして。
それでも一度は見てみたいという、怖いもの見たさな好奇心が働くのでありました。


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