●攻めの改変ラッシュ
韓流ミュージカル東京公演の感想走り書きです、今更ながら。
3月15日ソワレ、千秋楽、東京国際フォーラムにて。
とにかく念願の元祖ファーストキャトは実に素晴らしかったですね。
期待以上。
そうか、これが元々のハーモニーなんだ、というほどに、高音中音低音に重低音が合わさって感動的でした。
これを越える組み合わせはまだないんじゃないか??
しかもほぼ半年前に見たばかりだっていうのに、歌のナンバーを変えてきたり細かい演出のマイナーチェンジがあったりと、まあ攻めてくること!
すごい攻めの姿勢です。
現状人気にとどまっているつもりなんて全然ない。
制作側の作品をより良くしようとする旺盛な意欲がビシバシ伝わってくる。
正直もう今回の元祖ファーストキャストを見たら卒業しようと思っていたけど、これだけアグレッシブな変化を見せつけられたら、次は何をするんだ、とか気になってしまい、いつまでたっても卒業できんわな(^^;)
てかこうやってちゃんとファンというか観客をしっかり捕まえるすべを心得ているから、舞台コンテンツが成功するのか。
日本の舞台興業関係者もここはぜひ見習った方がいい。
しかも通路降りがあるのに2階S席なんて詐欺だろう、と思っていたらちゃんと2階Sの方のための専用アドリブまであるという気の使い方ですよ。
果たしてコレが韓国側からオファーがあったのか、日本の国際フォーラムが気を使ったのかはわからないけど、でも明らかに前回の非協力的な文化村に比べたら、国際フォーラムは全面協力を惜しまなかったようで、最終日の挨拶でも親分シン・ソンウが国際フォーラムに対して何度もお礼を繰り返していたのが印象的でした。
しかも驚いたことに、挨拶の際に膝ついてお辞儀したですよ、シン・ソンウ。
これがどれだけ客席や関係者に敬意を払ってくれたのか、すぐに分かる人は少なかったんじゃないかと思いましたが、彼の感謝の思いがひしひしと伝わり本当に恐れ入りました。
感じ入りますね。
いや、正直申せばシン・ソンウ、前回夏の公演の時は何をふんぞり返ってエラソーに喋ってるんだこいつ的な態度も見えたんですが(苦笑)、相当国際フォーラムはじめ関係者が頑張ったのか、いずれにしてもやっぱりお互い肌身で一つのものを共有するのって大事ですわ。
会場を埋め尽くしたお嬢さん方・お母さん方がとても頼もしく見えました(笑)
●絞ってきた元祖ファースト・アラミス
お腹が心配だった元祖ファースト・アラミスことミン・ヨンギも、腹回りミチミチ感はあったとはいえしっかり絞ってくれていて一安心。
もう一声!と言いたいが、まああの頃を思えば合格だ。
でも丸くなってしまったお顔はやっぱり痩せられず、その分前髪ボリューミーにして花輪君と化していましたが、とはいえあのやんちゃ坊主っぷりとか、抜け目ない三男坊的なところがとってもよろしい。
ロマンチストも大炸裂。
元祖の味わいですよ。
それにやっぱり何度聞いても彼は歌が上手い。
素晴らしいです。
さらにマイナーチェンジにより、これまで存在が空気の王妃が、王が実はリシュリュー(苦笑)だったとわかったクライマックスで「アラミス、これはどういうこと?」って聞く台詞が追加されているんですね。
このセリフひとつで、今まで空気感たっぷりだった王妃に一応存在感が出てきたこともすごいんですが、アラミスったら王妃にも取り入っていたのねぇと思わせられるから笑うw
途中で「王が二人いるって噂はほんとうだったんだ」ってアラミスが言う台詞も数回前から追加されていたのですが、ケティをたぶらかしていたことといい、先のように王妃がアラミスに尋ねる件と言い、女性を通して噂をGETしていたに違いないと思わせられたりするところは、実にアラミスの「女好きも役に立つ」を裏付けている感じでいいですね(笑)
もう王妃×アラミスなんてあっても驚かないよ、このミュージカルに関しては。
でなきゃこの王妃は誰にもかまってもらえないに違いない(ヲイ)
●「ミホン ヲ ミセテ クダサーイ!」
今回は元祖ファーストキャストだから息の合い方はバッチリゆえ、アドリブにさらにアドリブをくっつける余裕すらある。
そしてそれを受けて返す、役者としての反射神経の良さが実に小気味良いですね。
例のデコちゅーサービスのアドリブ時に、おもむろにダル役のイム・オギュンが客席に降りて行き、しばらくとどまっていたんですわ。
この絶妙な間もさることながら、何だろうと思ったら、いきなり舞台に向かって「ミホン ヲ ミセテ クダサーイ!」(`・ω・´)キリッ
果たしてコレが打ち合わせ通りなのか突然の不意打ちなのかはわかりませんが。
舞台上の三銃士、一瞬顔を見合わせて、それからスト――ン!とアラミスが元気よく舞台を降り、アトスがずんずんと階段を降り、それぞれ女の子にちゅー。
全然降りてこないポルトスのボブレ兄さん、ようやくのっそりと降りて行ったらシルバーヘアのお母さん(笑)にちゅー。
やるなぁ、ボブレ兄貴、さすがです!
●交流アイテム「サンチョンサー」
韓流ミュージカルの存在は私的にも実に大事なアイテムで、つまりシゴトで知り合う韓国人との話題にいいネタになるんですわ。
先頃シゴトで行ったフランスで知り合った韓国人の兄ちゃんにも効果テキメンでした(笑)
もちろん旅行関係者の集まりゆえ、お互い東京にもソウルにも何度も行っているから双方のいいところはわかっているのですが、でもさらにこの話題を出すと実に会話が弾むんですね。
「サンチョンサー」っていえば通じるからすごいわ。
いや、ありがたいです、ホント。
今回は元祖ファーストキャストしか観ていないので、メイン4人と+αの名前を挙げ連ねたところ、彼が知っていたのは現在ファーストアラミスとなっているキム・ミンジョンとキュヒョン。
そして、特にミンジョンは大爆笑されました。
「He is already, very オジサン!」と(笑)
ミンジョンでオジサンってことは、元祖ファーストキャストっておそらくもうとてつもなくオジサン集団ってことかいなwww
東宝の「おっ三銃士」といい勝負のレベルなのではあるまいか。
キュヒョンも日本では人気だけど彼に言わせると「韓国ではもうイマイチ」だそうでw
あっちのタレント人気はつまり「回転が早い」のでしょう。
Too rapidでmoving everytime, changing everydayなのだそうです。
日本人は一度好きになったら結構いつまでも応援するけど、あちらはそこんとこは意外とドライみたいです。
ダルやアトスのキャストがどんどん増えて行くのも分かる気がしました。
こちらは兄ちゃんが私の取材ノートに落書きしたハングル語。
「キム・ミンジョン」「キュヒョン」だそうでww
ちなみに今回のシゴトでは中国の男の子とも知り合いになりましたが、彼は「AKB48が大好き」だそうですw
いずれにしても、韓流ミュージカルはお話はトンデモでも、とにかく愛が詰まっていて気持ちがいい。
底意地の悪い人形劇とは大違いですよ(いろいろ最近思い出させられるのでつい言いたくなる)。